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Vol.54きんや先生の雑木ばなし [3/28]

kinya

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「ホスタ」も立派な山菜「ウルイ」なのだ


 

 雪が深かった山々も、木々の根元あたりから解けはじめて、落ち葉や黒土が見えるようになり、重く垂れた枝が雪を跳ねのけ、バサッ!バサッと、音を立てて春になってくる。
 いよいよ長い長い冬が終わり待ちに待った春なのだ。
 日当りのいい土手から葉脈のような雪解け水が流れ出し、しだいに集まって小さな小川になっていくのだ。まだまだ水は冷たく、水際の枯れた木の枝には氷がきらきら輝いている。

 そんな畦道に最初に顔を出してくるのが「福寿草」や「フキノトウ」だ。
 東北地方では「バッケ」だ。カタカナで書くと単にバッケだがニュアンス的には「バッケア」くらいがちょうどいい。福寿草はトリカブトやオダマキと同じ、キンポウゲ科。毒性があるので食用にすることは出来ない。

 

 フキノトウはいわゆるフキ(蕗)の若い花茎。雌雄が別々の株で沢山の花芽を抱えているが、それがまだ開かない若芽が一番美味しい食べごろなのだ。独特の苦味と香りは山菜として人気があり、さまざま加工されたりしている。
 フキの変種である秋田音頭にも歌われ有名な「アキタブキ」は葉柄も2mになるが、フキノトウも大きい。
 
   同じフキの名が付くが、冬に鮮やかな黄色の花を咲かせる「ツワブキ」は石蕗と書き、同じキク科でツワブキ属。福島より西の温かい地方に自生する常緑の多年草である。丈夫であることから根強い人気があり、ガーデニングの重要な素材のひとつになっている。この葉柄も食用になる。フキのようにキャラブキにされるそうだ。

 日本からヨーロッパに渡り逆輸入の形で日本のガーデニングで人気がある「ホスタ」、つまり「ギボウシ」も立派な山菜「ウルイ」なのだ。ギボウシは東アジアが特産。 40種ほどあるが雑種が出来やすく、園芸品種も沢山あり、特に湿地や日陰に強いため、シェードガーデンでは重要な植物となっている。

 
   ユリ科の多年草で寒くなると葉を落としてしまうが暖かくなってくると新芽が出てくる。若葉をウルイと呼びおひたしやごまあえなどにされる。花が咲くのは7〜8月ころ。この若い蕾が橋の欄干の擬宝子に似ているのでギボウシの名が付いたといわれているが、花や蕾も食用となる。また成熟した葉は苦味があるので水にさらしてから調理される。いやー、ホスタの蕾をおひたしにして食べているところをイギリス人に見られたら何と言われるだろう。「日本人は何て貧しいのでしょう、そこまで食べなくても・・・・」なんてね!  
 

 池を作ったりじめじめした日陰の玄関先や、ボーダー花壇でも日当りの悪い場所では大活躍のギボウシだ。もちろん大きめのコンテナでも栽培は可能。夏の寄せ植えの素材にもなる。湿気に強いが、そういった場所にはナメクジやカタツムリも多い。食用にしてもしなくても、先に食べられないように注意しましょう。また山に入った場合は毒草であるコバイケイソウと似ているので間違わないようにしてほしい。

 そういう私は田舎の遠野育ちなので、山菜取りやキノコ取りなど大好きでいつも山に入っていただろう、などと思われがちだが、遠野でも町育ちなのだ。山菜もキノコも川の雑魚も近所の人や親戚がいつも取ってきてくれたので何不自由することなく、わざわざ取に行かなくても食べることが出来たのだ。俺は山に入ったことの無いシティーボーイ(古!)として少年時代を過ごしたのだ。

 
 

 このように田舎には山に入って採るのは好きだが自分では食べなかったり人にあげたりするのを楽しみにしている人が結構いるものなのだ。「ありがたい、ありがたい!」。
 ついでだが私は山菜ではやっぱり、三杯酢で歯ごたえもさわやかな「ミズ」(イラクサ科ミズナ)と塩ゆでして苦味も心地よい「シドケ」(キク科モミジガサ)がいいな。誰か持ってきてくれないかな?昔みたいに・・・・