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Vol.48きんや先生の雑木ばなし [5/16]

kinya
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京野菜に負けるな、遠野の暮坪かぶ


 

 
 細長い日本列島は全国各地に
いわゆる「伝統野菜」があってとても楽しい。
 背骨のように真中を走る各山脈から流れ出る川が、
数多くの独立した村を作り出し、
それぞれに独自の食文化も作っていったのだろう。

 黒潮に乗ってやってくる南方の植物、
シルクロードを経て中国大陸からやってきたヨーロッパの植物、
シベリアの方からきた北の植物、
鎖国していた日本にも様々な文化とともに植物もやってきたのだ。

 
 

 

 勤勉で努力家の日本人たちは、自分たちの土地にあった野菜を作り出していったに違いない。
 また、もともと日本に自生していた野草も野菜に変わっていったものもあっただろう。

 人間にとってやっぱり一番大切なものは、食べ物である。
生きていく為には、なにはさておき食料なのではないだろうか?

 今まで数多くの戦争が繰り返されてきて、今もなお続いているのだが、
それは食料やよい農地を求めての戦が多かったのではないでしょうか?

いやいや、こんなことを書くコーナーではないのであった。

 

 

 

 遠野の上郷(かみごう)と言う町に「暮坪(くれつぼ)」という集落がある。寒い遠野でも、さらに寒い所なのだ。

 そこに昔から栽培されてきた「カブ」がある。
その名も「暮坪かぶ」。

 カブでは珍しい長根系で、長さは20から30cmほどだろうか・・・。
なかなか、一見してカブとは思えないのだ。

 これが、漬物にしても美味しいし、いわゆる辛味そばの大根おろしのかわりに使うとなんとも独特の辛味と風味がいいのだ。

 

 カブの歴史は非常に古く、紀元前のギリシャ時代には栽培されていたらしいのだ。このヨーロッパ型と、アフガニスタン地方のアジア型に大別されるらしい。

 日本にやってきたのははっきりしていないが、かなり古く、ダイコンよりは前らしいのだ。

 
聖護院カブ  これがまた、暮坪カブのようにダイコンのようなカブもあれば
京都の辛味ダイコンのような、カブのようなダイコンもあるのでややこしい。同じ京都の聖護院ダイコンと聖護院カブは区別がつきにくい。

 どちらもアブラナ科だが、カブのほうがアブラナ属で、ハクサイ、タカナ、カラシナは兄弟のようなもの。ダイコンはアブラナ科ダイコン属、カブの方が本家筋にあたる。

 甘酢に漬けたものは食べやすく、初心者にはもってこいだ。
お土産にも最高!
 この種も地元の種苗店などで手に入るようだが、
暖かい地方では大きく育ちすぎ、なかなかこの風味は出ないらしい。

 

 
 

 

 

 

 カブは「かぶら」で蕪と書く。
江戸時代の有名な俳人「与謝蕪村」は大阪の天王寺に住んでいたらしい。
 ここには「天王寺カブ」がある。
きっと蕪村は大好物だったに違いない。

 「近江カブ」も日本のカブとしては古い品種だ。
この「近江カブ」、「聖護院カブ」そして我が「暮坪カブ」を「日本のカブ」として紹介する先生がいるらしい。
「日本の三カブ」として、誰か認定してくれないかな?
「暮坪カブ」は、二者よりかなり細くて見劣りするけど、存在感はバッチリなのだ。

アブラ菜

 

 肩と言うか青首の「近江カブ」、紅カブとして有名な「大野紅カブ」、肩の紅い島根県の「津田カブ」、山形県には漬物用の紅カブ「温海カブ」。昔、シベリアのほうからでも渡ってきたのであろうかヨーローッパ系の「ヒッチカブ」などなど。(岩手にはニンジンという名のカブがあるらしい・・・)。
 そのほか日本にはたくさんのカブの品種があって、日本はカブ大国といってもいいくらいなのだ。

 

 

 


 カブにはビタミンCが多く含まれ、デンプンの分解酵素であるジアスターゼも豊富なので消化吸収がよく優しい食品なのだ。
効果的なのはやはり、生食だろうか。
 葉っぱにもビタミン、カロチン、ミネラル類を多く含む。

 もっともっと利用されていくといいですね。

津田カブ