きんや先生の雑木ばなし    vol.25  イタドリは世界を救う?


 

 夏になると花よりも緑の葉っぱが目立ってきて野山はうっそうとしてくる。
一雨ごとに草は伸び日陰も多くなる。

 日ごと大きくなってくる草の中にイタドリがある。
タデ科の多年草だ。
草丈は1.5mほどに伸びる。
日本各地の野山に生え、花は6〜8月に咲く。
雌雄異株で、若い茎はスイバと同じくスカンポと呼び、皮をむいて食べるそうだ。
漢字で「虎杖」。
薬用になる根茎を乾燥させたものが「虎杖根」で、便秘や夜尿症に役立つそうだ。
お困りの方は一度試してみてはいかがですか?

 


 大型の植物なので、
このイタドリにはいろいろな虫がやってくる。
蝶や蜂だけでなく甲虫類もやってくる。
葉っぱで上手にゆりかごを作るドロハマキチョッキリなどもいる。
このイタドリの太い茎にも虫が入っている。

 

 アウトドア小僧だった岩手時代、参考書にしていたのが「アウトドア」や創刊されたばかりの「ビーパル」だった。
その「ビーパル」に漫画家の白土三平氏のコーナーがあって、いつも楽しみにしていた。
そのときの内容が「イタドリの虫を食べる」と言う物だった。
以前から虫を食べてみたいと思っていた私は、「そうか、この虫は食べられるのか!」と喜び、いつも一緒に山や川で遊んでいた榊原に連絡をし、さっそく虫を取に行った

 

●イタドリに群がる虫たち

 

 イタドリはすぐに見つかった。
茎にはたくさんの穴があき、食べカスなのかフンなのか、一杯落ちていた。
早速ナイフで切り倒し、茎を開くと、居るは居るは、2、3本切っただけで30匹は捕まえた。
老齢になって茶色い物は、なんとなくいやなので、白くて若いやつだけにして袋に入れて持ち帰った。
「本当に食うのかよう?」、と怯える榊原を無視し、私の手はためらいもなく“調理”にかかっていた。

シェラカップの中の虫たちはキャンプ用のガスコンロで焼かれていった。

 

 

 白土氏は“串焼きがおいしい ! ”と紹介してあったが、さすがにそれはやめて、から焼きにした。
暴れる虫を無視し、ざっと醤油を掛けた時のあの焼けたいい臭い、「おもいだすなー」。
腹の中がやわらかいとイヤなので、よく炒め、早速一匹。
これがなんともおいしいのだ!

 榊原は疑いの目で(軽蔑も少し)、食べつづける私を遠くから眺めるばかりで、食べようとしない。
「うまいから食えよ」、と言っても信じない。
ぜいたくなやつなのだ。
「かっぱえびせん」のようで(見た目も・・・)ほんとうにおいしい。(実は醤油の味しかしなかった・・・)。

 

●イタドリが養っている幼虫

 

 たぶんコウモリガの幼虫だと思うのですが、イタドリはこれだけ沢山の幼虫を養っている。
この幼虫達はイタドリの体だけしか食べていないので、いろいろな物を食べている私達人間よりもよっぽど綺麗な体をしているに違いないのだ。
イタドリが悪い物を吸い込んでいない限り・・・。

 いずれ人類は食糧難になる。
そうなると、動物や魚以外からタンパク質を取る必要が出てくるはずなのだ。
『昆虫を食べられる人間が生き残っていくに違いない』と、今から、鍛えているのです。

 榊原は、最後に一匹だけ食べた。
「うまい!」、と言ったが、もう1匹も残っていないのだ。
早く食べればよかったのに・・・。
2人で会う度に、夏になる度に、イタドリの虫の話になる・・・。
こんなにおいしい虫を沢山生産してくれるイタドリは、“世界を救ってくれる”に違いないのだ・・・。

 

 

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 先日郷里岩手に行って来ました。少しは涼しいかと期待したのですが、やっぱり暑かった。世界規模で温暖化に向かっているのを実感して帰って来た次第です。
 まだまだ夏休みが続きますが、皆様のサマー・バケーションは? 楽しい思い出など、是非お寄せください。


                 kinya


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