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第七回 ◆(有)山口園芸◆


(有)山口園芸の本社

生産量 1600万本業界第1位なんですって ?!

 別府から船に乗ってやってきまして、愛媛県は津島町の「有限会社山口園芸」さんにお邪魔しました。
「{いーところだ。それにしても広ーい広い農場だ」。

 施設の面積が21,000u。昭和27年の創業で平成3年に会社を設立してからはなんと6年でこんなに大きな農場に ! 「すごい ! ハウスの数が100棟だ !! 」
プロの生産農家向けの野菜苗を主に生産・販売しています。
生産量、1600万本だそうで、業界第1位。それもうなづける施設。
そして、働いている皆さんがみーんな若くて明るい。若いエネルギーが活気を生み出しているんでしょうね。

農業も立派なビジネスに

 大手の企業がアグリビジネスに進出している世の中で、生産農家がこのような大きな企業になり、農業が立派なビジネスになることを証明してくれています。
 全国の農業に従事している方、これから農業を目指そうとしている若い人々にとって、説明してくれた社長の山口さんは希望の星みたいな存在なのではないでしょうか。
もちろん “IT” もいち早く取り入れ、対応しているし、主力の野菜生産の研究開発や、システムの開発にとどまらず、病害虫や微生物、化学肥料との研究と事業開発の幅は広い。


清潔な工場で接木作業に打ち込む若い社員たち。

 

アースストレート苗って ?

 さて、温室を案内していただきました。
「やっぱりキチッとしているし、きれい」。―成功している農場の共通点ですね。
 見渡す限り苗、苗、苗・・・。

 直径3cm〜5cmまで、サイズごとに4タイプ揃った筒状小さな苗、これを『アースストレート苗』といいます。一見ふつ〜の苗に見えますが、実は秘密があったのです。では、何が違うかというと、この状態で既に接木が完了した立派な接木野菜苗なのです。
 紙製の素材で培土を包んでいるので、根鉢が崩れにくく、従来のようにポリ鉢の処分に困るというようなこともなくなりました。また、根巻きをしていないため、定着後の活着や根張りがよくなり、たくさん収穫できるという利点があるそうです。

発 芽

接 木

育 成

 一番手間がかかり神経を使う、育苗という仕事は、こうやって分業化され、プロの確かな技術力とハイテクの合作により作られているんですね。土作りから種蒔き、そして接木作業はもちろん、育成、出荷、輸送にいたるまで、徹底管理の元、社員の皆さんがひとつひとつ、丁寧に愛情込めて作業をしているのですね。

これが“アースストレート苗”。パックがないので直に植えられます。
 活着もよく、病気にも強いアースストレート苗はほとんどの農家に使用されています。手間がかかるだけに値段も普通の実生苗よりは高くなるのですが、ここでは大量に生産、配送が出来、比較的安く、しかも最高の状態で全国に届けるシステムを確立しています。

 アースストレート苗と呼ばれる小さなこの苗は、全て生産農家向けに作られています。従って、私たちが直接目にすることはないのですが、このシステムによって作られたキュウリ、トマト、ピーマン、ナスなど、知らないうちに食べているのでしょうね。
おいしい野菜たち
強く元気な苗がおいしい野菜を実らせます。

ヌードメイク苗―初めて聞くけど、それも苗なの ?

 そして、もっともっと大量に苗を必要としている農家向けには『ヌードメイク苗』といものもあります。
台木に接木された苗を、わざわざ台木のところでカットして穂出荷をしているのです。もちろん、根っこも何も出ていない状態です。1ケースに大量に入るため、もちろん輸送量などは安くなります。苗も発根が良くなり、活着も早いそうです。これにはビックリです。
 とにかく、苗作りにかけてはプロ中プロたちが心を込めて育てた苗は、四国から全国に広がり、ひいては私たちの“食”を支えているんですね。感謝 ! 感謝 !

 作業に携わるこうした若い人たちと、優れた経営者と、技術開発に携わる研究者たち―こうした三つの力が文字通り三位一体となって、日本の農業の下支えとなっているわけですね。

 日本の農業はまだまだ大丈夫、いや、これからもっともっと「山口園芸」さんのような技術革新の恩恵に与れれば、もっと発展していくだろうなと安心しながら、そして近い将来、みなさんもアースストレート苗にお目にかかれる日が来ることを願いつつ、うどんを食べて四国を後にしたのでした。


アースストレート苗を作り出す秘密のマシーン。

無題ドキュメント