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Vol.48 八重咲きのクリスマスローズ「パーティードレス」 
            Helleborus                        [12/9]

     

 全国的に温暖化の影響なのか降雪量が減って、春まで雪が隠してくれた庭も、冬枯れて、さびしい状態が続きます。玄関先は、コンテナ等に鮮やかなパンジー、ビオラでの演出が可能ですが、芝生の奥の花木やコニファー類が植えられている庭にも、もう少しスポットを当ててみましょう。

 家族のための"庭"をシックでナチュラルな感じに作り出すためには宿根草が主役になります。
 数年育て、大株になってこそ存在感のある宿根草ですが、冬に葉を枯らしてしまう品種が多いものです。そこで、花のない季節に葉を落とすことない常緑の、しかも寒さに強い植物が大活躍します。その代表が『クリスマスローズ』です。
 春の訪れを先取りするかのように花を咲かせ、深い大人の色合いでワンランクアップしたガーデンを演出してくれます。

 

 「冬の貴婦人」とも呼ばれ、近年ますます愛好者の増えてきたクリスマスローズ。
 従来は欧米でクリスマスの時期に咲くヘレボラス・ニゲル(H,niger)をクリスマスローズと呼び、春先に咲くオリエンタリス系(H,orientalis)はレンテンローズ、または春咲きクリスマスローズとして区別していました。
 しかし、現在では長い年月をかけて品種改良され、バリエーションも豊富なオリエンタリス・ハイブリッド(交配種)を含め、ヘレボラス属を総称してクリスマスローズと呼んでいます。


ダブルファンタジー《H,niger》

 

 クリスマスローズはとても交雑しやすい花です。そこがたくさんのバリエーションを産み、魅力の一つともなっています。
 購入した苗を育てたが「期待した花色にならなかった」など言われることもありますが、特に花色の濃淡には差が出たりします。その変化を楽しむというのも、愛好家にはたまらない魅力ともなっているようです。

 それでも、「期待した花色」を求めたいという場合は、種を採取するよりやはり株分けをする事が確実です。でも、株分けできるのは2〜3年に1度で、しかも1度に2〜3株程度にしか分けることが出来ません。
 当然、人気のある素晴らしい株は貴重になり価格の高い高級品になってしまうのです。

 

 多くのガーデニング愛好家にクリスマスローズの素晴らしさを広めたいと、長年努力を続けてきたのが「潟~ヨシ」の組織培養技術です。
 これまで難しいとされてきたメリクロンと呼ばれる組織培養技術によると、選び抜いた品種の1芽を、フラスコの中で1年間で300倍にも増やすことができるのだそうです。この成功が、丈夫で育てやすく、素晴らしい花を咲かせる株を、私たちが手に入れやすい価格に近づけたようです。

成長点摘出 初期増殖(カット〜1年間) 発根過程(1〜1.5ヶ月間培養) 2ヶ月育苗の状態

 

 


 幾多の種類がある中で、なんといっても人気の高いのが八重咲きのクリスマスローズです。
 八重咲き品種は、イギリスの育種家、エリザベス・ストラングマン女史による発見に端を発しています。女史が旧ユーゴスラビアで原種の一種で八重咲きのトルカータスを見つけ、その後様々な人の手を経て改良が試みられてきました。パーティードレス系と呼ばれる八重咲きと安定した花色を作り上げるのに実に10年の歳月がかけられています。
 小輪で花数が多く花色が豊富、奥ゆかしく花弁が何層にも重なって咲く様は、冬の寒さに耐える姿もいとおしく「冬のバラ」の名にふさわしい品種です。

今回ご紹介する「パーティードレス」は八重咲きのクリスマスローズのブランド名です。

 
トルカータス系ハイブリッド八重咲き<パーティードレス>
 
ロイヤルパープル
クリームブロッチ
カナリアイエロー
ガーネットレッド
フェアリーローズ
ローズカメレオン
バターイエロースポット


 

管理と育て方
寒さに強いクリスマスローズは丈夫で育てやすい植物です。成長するのは秋から春にかけて、暑い夏は半分休眠することになります。

 
  植え替え時期  10cmほどの小さいポットの苗(1年株)は開花は翌年からになります。早く花を見たいときは開花している大株を購入したほうが良いでしょう。植え付けは秋がよいのですが、10〜3月の間(北海道で4〜5月、東北地方で5〜6月、秋は9月)に、小さな苗は一回り大きな鉢に植替えをします。水はけの良い培養土がよいでしょう。
 
  環境  庭に植える場合は、落葉樹の下など半日陰で水はけの良いところに植えます。良質の腐葉土や堆肥を撒き、深く耕してから植えます。特に夏の西日を避けられる場所を選びます。
寒さには強いのですが強い北風や霜は避けたほうがよく、また暖かすぎる場所は花色がさめやすいので注意しましょう。
 
  花後の管理  4月をすぎると花も傷んでくるので種を採取する以外は花茎の元から切り取りましょう。花が咲いて5月までは月に1度化成肥料を施すと良いでしょう。
高温多湿の夏は嫌いな花です。肥料もあげず、遮光し出来るだけ涼しい環境を作ってあげます。鉢植えの水遣りは充分に乾いてからタップリ与えます。
 
   すばらしい花を大きく育て株分けしてふやしたり、交配させ新品種を自分で育ててみたり楽しみの尽きないクリスマスローズです。和風の庭にも調和し、もちろんイングリッシュガーデンには欠かせない宿根草です。様々なシチュエーションで楽しんでみてください。
 

資料提供 : 株式会社ミヨシ
       ホームページアドレスhttp://www.miyosi.co.jp