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Vol.45  夏のハーブ、お薦め5種 [6/22]
 本格的な夏が近づいてきました。コンテナや庭の植物達も疲れが出てくる頃です。蒸れないように、病気が入らないように、切戻しや間引きをして、株元や下の葉に充分光と風を与えてあげましょう。ラベンダーやナスタチウムなど夏を苦手とするハーブたちには特に必要な作業になります。

 その中でも『夏大好き』と大喜びのハーブたちもあります。美しい花を食べられるハーブもあります。爽やかなハーブティーやハーバルバスなど、夏が大好きなハーブや美しい花をおしゃれに利用できるハーブを5つ選んでみました。
 
 今年の夏はハーブで涼しくすごしたいですね!
チコリ Cichorium intybus
キク科の二年草


 美しい花はエディブルフラワーとして、柔らかな若葉とともにサラダで食します。軟白させた若い芽のチコンは、炒め物やグラタン、サラダなどに利用します。2年目の春に掘りあげた根を、水洗いして粗く刻み乾燥させたものをローストしコーヒー代わりにします。


 穏やかな強壮作用があり、気管支炎、貧血などに良いとされ、利尿作用があり、体内から尿酸を排出するといわれています。


 水はけが良くアルカリ性の土を好みます。深く耕しておくと良いでしょう。花は六月頃から長く咲き続けますが暑さに弱く、夏は涼しくさせる工夫が必要です、高温多湿では病気が入りやすいので植付け間隔を30cmと離し、風通しを良くします。
 チコンを栽培する場合は、一年目の根を秋に掘りあげ葉は切り落として腐葉土を混ぜた土に上部が隠れるくらいに植えます、七号以上の鉢が良いでしょう。ダンボールなどで囲って暗くし10℃以上を保つようにします、四週間ほどおき15cmくらいまで育てて収穫します。

 チコリは古代ローマ時代から野菜として栽培されてきました。苦味があり歯ざわりの良い葉は鉄分、カルシウム、銅などが豊富に含まれ、サラダ用の野菜として利用されてきました。チコンと呼ばれる筍のような軟らかい芽は秋に掘りあげて軟白させて作られます。苦い根もティーや代用コーヒーとして利用されます。日本には江戸時代に入ってきてキクジシャとして親しまれているエンダイブはチコリの近縁種になります。

 

レモングラス Cymbopogon citrates
イネ科の多年草

 7月頃になり葉の数が15枚以上になってきたら、香の強い根元から10センチの部分を含めて、刈り取りましょう。根元部分はたたいて潰してからスープや炒め物などに香付けとして使います。葉の部分もハーブティーとして利用します。香の主成分はレモンと同じシトラールです。


 寒さに弱いので、平均気温が15℃以上の暖かい季節になってから植付けしましょう。はじめは風を遮ってあげたほうがよく、株分けしたり植え替えた時も2〜3日は半日陰で管理。高さは1メートルを超え、株も大きくなるのでそれぞれ60センチは離して植えます。
 日当りの良い、湿り気のある肥沃な土を好みます。乾燥して水分が不足すると葉が細くなるので注意しましょう。また葉が黄色っぽくなってきたら追肥が必要です。
 霜の降らない暖かい地方では冬越しも可能になりますが、残した葉を束ねて傷まないようし、株元にはワラなどでマルチをすると良いでしょう。夜に10℃以下になる場合は鉢上げをして明るい室内で冬越しさせます。この場合根元から3分の1は残して刈り込みます。
 日本で花が咲くのはまずないので、繁殖は春の株分けで行います。古い根株や枯れた根を取り除きそれぞれ2〜3株に分けて、多きめのテラコッタ鉢に植え替えると良いでしょう。


 貧血を防いだり消化不良によいとされ、心身の疲れを軽くしてくれます。たくさん収穫できる時は、お風呂にいれてハーバルバスとして楽しみましょう。ドライにして利用もできますが、フレッシュに比べるとやはり香は弱くなります。

東南アジアのハーブ、スパイスとしてはもっとも有名になっている植物でしょう。タイ料理の「トムヤムクン」には欠かせない食材です。
 ススキに似た寒さに弱い常緑の多年草です。全草にレモンのような香がありますが、根元に近い丸みを帯びた茎の部分が多く利用されます。

 

ボリジ Borago officinalis
ムラサキ科の一年草


 花はガク片を取り砂糖がけにしてお菓子の飾り付けにします。また角氷を作る時に一緒に凍らせてお花のキューブを作るのは良く知られています。もちろんサラダやスープ、冷たいドリンクに浮かべても良いでしょう。カルシウム、カリウム、ミネラル塩を含む毛におおわれた葉は、つぶすとキュウリに似た香がします。味も似ていてサラダや細かく刻んでヨーグルトなどに混ぜても美味しく食べられます。塩分抜きの食事をとる場合の香付けに用いられます。


 葉と花の浸出液は発熱、咳、吹き出物を軽くし、母乳の出を良くするとも言われます。また種子から搾られる油には湿疹、高血圧、関節炎、二日酔いの治療に使われます。


 寒さに比較的強く、秋に種を蒔いて育てられた苗のほうが株も大きくなり、初夏から9月いっぱいまでたくさんの花を咲かせて暮れます。日当りが良く乾燥して肥沃な土壌を好みます。60センチほどに育ちますが、根の張りは少なく、移植を嫌います。ポット苗を購入した場合は根を崩さずにそっと植え込みましょう。こぼれ種でも増えますが、春か秋に種を蒔きます。涼しい地方は春に蒔きましょう。白花やほふく性のタイプもあります。

 5つの花びらが星のように広がって咲く、とても美しいハーブの一つです。和名は「ルリジシャ」。その名前のとおり瑠璃色の花が下向きに付きます。古代ギリシャ、ローマ時代から食用・薬用として利用されてきました。この花もエディブルフラワーとして、サラダやお菓子作りに利用されます。葉や茎はキュウリのような味がします。

 

ステビア Stevia rebaudiana
キク科の多年草


 フレッシュでまたはドライにしても砂糖の代わりとして全草利用が出来ます。インディオの人々からはマテ茶用の甘味料として使われてきました。


 カロリーの低い植物性の甘味料として糖尿病の予防や、ダイエットのために少量使います。他のハーブティーに砂糖代わりに使うには最適でしょう。ドライの葉を煮出しして、漉してシロップを作ることも出来ます。


 寒さにも比較的強いのですが、苗の植付けは4月になってからの方がよく、日当りと水はけの良い場所に植えましょう。
夏から秋にかけて白い花を咲かせます。暖かい地方では種も収穫できますが、確実に増やすには夏に蕾のない芽の先を挿し芽します。また株分けで増やすことも出来ます。
 寒くなった秋に葉を落として地上部分は刈れますが、根元に冬芽をつけながら越冬します(耐寒温度はー5℃)。腐葉土などで株元を防寒し越冬させましょう。鉢植えは室内に取り込みましょう。 

 南米パラグアイが原産で、古代のインディオの人々が甘味料としていたハーブです。葉には砂糖の200から300倍の甘味を持つというステビオサイドが含まれ、生の葉を噛んでみると爽やかな甘味がします。

 

コモンマロウ Malva sylvestris
アオイ科の多年草


 花びらのティーは一人分で5個ほど、熱湯をそそぐと鮮やかな青紫のお茶が出来上がります。これにレモン汁を加えるとピンク色に変わり、2度楽しむことが出来ます。このティーで角氷を作ると、ピンク色の氷ができます。


 葉を加えたティーは消炎、去痰作用があり咳止めや胃炎に用いられます。葉と若い芽にはビタミンが含まれ野菜のように茹でても使えますが、花とともに生でサラダにミックスすると良いでしょう。


 有機質に富んだ土で日当たりの良い場所を好みます。良い腐葉土をすき込み深く耕しておきましょう。2メートルほどに大きくなりますが、植えたままにしておくとだんだん株も、花も小さくなります。毎年春の初めに剪定し、株を若返らせます。このとき株の周りも深く耕し、新しい根を伸ばさせます。こぼれ種でも増え、また挿し芽でも増やすことが出来ます。

ヨーロッパ南部の原産で古くから利用されてきたハーブの一つです。よく枝分かれして直立した茎に5月から8月にたくさんの藤色の花を咲かせます。薄いピンク色や白い花のムスクマロウも近縁種で、ジャコウアオイと呼ばれ、かすかなジャコウの匂いがします。花や葉をサラダやティー、浴用などに利用します。